何度注意しても改善しない。注意指導で見直したい対話の進め方

何度注意しても改善しない。そんなときこそ見直したい対話の進め方

「何度注意しても改善しない。」
管理職や経営者の方から、このようなご相談をいただくことがあります。

遅刻や報告漏れ、同僚への配慮に欠ける言動など、改善を求めても同じことが繰り返されると、もう何を言っても無駄なのではないかと感じてしまうこともあるでしょう。

しかし、本当に伝わっていないのでしょうか。

実は、注意指導がうまくいかない背景には、伝え方だけではなく対話の進め方に原因があることも少なくありません。

もちろん、改善する意思が乏しいケースや繰り返しの指導にも応じないケースもあります。一方で、会社が期待することやなぜ改善が必要なのかが十分に伝わっておらず、本人との認識にズレが生じているケースも見受けられます。

だからこそ大切なのは、問題が大きくなってからではなく早い段階で対話を重ねることです。

この記事では、改善が必要な社員への注意指導において、会社が一方的に伝えるのではなく本人の話にも耳を傾けながら改善への道筋を考える対話の進め方についてご紹介します。

問題社員ではなく改善が必要な社員

私はできるだけ問題社員という言葉を使わないようにしています。

もちろん改善が必要な行動はあります。しかし、本当に向き合うべきなのは人ではなく行動です。

例えば、

  • 遅刻や欠勤が続いている
  • 指示が守られていない
  • 報告・連絡・相談が不足している
  • 周囲とのコミュニケーションがうまくいっていない

こうした行動の背景には、本人なりの事情や認識の違いがあることもあります。

レッテルを貼るのではなく、どうすれば改善できるかを会社と本人が一緒に考えること。その出発点が対話だと私は考えています。

判例から見えてくる会社の共通課題

労働問題に関する判例では、社員に問題があったかだけではなく、会社がどのような対応を積み重ねてきたかも重要な判断材料になります。会社側に見られる課題として多いのは、

  • 口頭で注意しただけで記録が残っていない
  • 期待する行動を具体的に伝えていない
  • 本人の話を十分に聴いていない
  • 改善の機会を設けないまま処分を検討してしまった

といったケースです。

一方で、

  • 面談を継続的に実施している
  • 指導内容を記録している
  • 改善目標を本人と共有している
  • 定期的に改善状況を確認している

このような企業では、その丁寧なプロセスが評価されることもあります。つまり、会社を守るのは厳しい指導ではなく対話の積み重ねなのです。

CareHRが考えるWork Design

CareHRでは、問題社員対応を問題を解決することではなく問題が起こりにくい職場をつくることと考えています。これが私たちの考えるWork Designです。

Work Designとは、就業規則を整えることだけではありません。

  • 管理職が定期的に部下と対話する
  • 困ったときに相談できる環境をつくる
  • 指導内容を記録として残す
  • できていないことだけでなく、できていることにも目を向ける

制度と対話。その両方を設計することで、人も組織も成長できる職場づくりにつながると考えています。

📌今日からできる3つの対話

1.まずは事実を共有する

勤務態度が悪いだけではなく今月は始業時刻を過ぎて出勤した日が3回ありました。このように事実を具体的に伝えます。。

2.本人の認識を聴く

最初にこんな質問をしてみてください。

「現在の状況について、ご自身ではどのように感じていますか?」

会社と本人では状況の受け止め方が違うことがあります。まずはお互いの認識を共有することが改善への第一歩です。

3.改善目標を一緒に決める

「気をつけてください。」

ではなく、

「来月は遅刻ゼロを目標にしましょう。

と具体的な目標を共有することで次回の面談でも振り返りがしやすくなります。

📌今日から使える質問

私が面談で最初によくお勧めしている質問があります。

「最近仕事をする中で、困っていることはありますか?」

注意から始めるのではなく背景を知ることから始める。この一言が対立ではなく対話につながることがあります。

🎁 今月の無料テンプレート

Work Design Sheet #01

伝わる注意指導・対話シート

この記事でご紹介した内容を、実際の面談でそのまま使えるシートにまとめました。

このシートでは、

✓ 面談前の確認事項

✓ 本人への質問例

✓ 改善目標の設定

✓ 面談記録

を1枚で整理できます。

無料でダウンロードする

おわりに

改善が必要な社員と向き合うことは決して簡単ではありません。

しかし、その目的は厳しく指導することではなく、早めの対話を重ねながら会社が期待することを伝え、本人の思いを聴き一緒に改善への道筋を考えることです。

その積み重ねが労務トラブルの予防につながり、働きやすい職場づくりにつながっていきます。

社会保険労務士事務所CareHRは、法律だけでなく対話も大切にしながら、人と組織がともに成長できる職場づくりを支援してまいります。

🌿Work Design One Point

問題を解決することよりも、問題が起こりにくい職場をデザインすること。その第一歩は、正しく伝えることではなく対話することです。


投稿日

カテゴリー:

投稿者: